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唇に媚薬
第15章 Yours forever

「~~~っ///」


握られた手を、パシッと凄い勢いで振り解いてしまった。


「……おい」

「~~プ、ぷ、プププ」

「笑うんじゃねぇよ」

「プロポーズしたの!?」

「なんだと思ったわけ」

「私に!?」

「他に誰がいるんだよ」


万歳した手を、ムッとした顔の葵に戻される。

葵は淡々と話してるけど、こっちはパニックで頭が真っ白だ。
両手を繋いで向き合って
でも、目が回って焦点が合わない。


「じょ、冗談でしょ!?」

「へー、冗談だって捉えたんだ。傷付くわ」

「だ、だ、だって急に……っ」

「急じゃねぇよ」


とても愛を語っているとは思えない、鋭い眼で睨まれると
葵は視線を落として、小さく息を吐いた。


「……カナダから帰った日
お前が俺を受け入れてくれた時から、考えてた」

「………!」

「つーか、本音言うと
かなり前から俺のものにしたいって願ってたんだ」


視線をステージに移して、葵は切ない表情で微笑む。


「……やっと、言えた」


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