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唇に媚薬
第15章 Yours forever
「……本当に、そう思ってる?」
「あぁ」
「……本気?」
「超本気」
きっぱり言い放った葵を見て、全身の力が抜ける。
結婚……
葵が、私の生涯の夫に……
「お前が前に言ってた、結婚相手の条件。
クリアしてると思うけど?」
大人しくなった私を見て、葵は意地悪く笑う。
「高学歴で高収入、あと何だっけ」
「……やめて。 もうそんなこと思ってない」
「それと、結婚はしてもガキはいらないとかなんとか」
「………」
……なんかもう、何もかもがイタくて恥ずかしいな。
だけど
自分が1番になりたくて、愛されたいから
子育てとか母親とかっていう、自分のビジョンが思い浮かばなかったんだ。
でも、本当にそうなのかな……
「それは、その……」
「お前、ちょっと想像してみろよ」
「……?」
「俺と蘭の子供だぜ?
すっげー可愛いに決まってんじゃん」
楽しそうに、葵は続けた。
「間違いねぇよ、絶対」