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唇に媚薬
第15章 Yours forever
「………っ」
ドキドキする。
ドキドキなんてもんじゃないけど
この気持ちをなんて表現していいか分からない。
葵の言葉にも、その笑顔にも、心がときめいていく。
……開かれていく未来に、胸が躍る。
「…… “ うるせぇババア ” とか、言われそう」
「はは、確かに。
そこはお前の教育が必要だな」
「葵の言葉遣いを直すのが先でしょ」
「無理だろ、いまさら」
自嘲して笑う彼を見て、私も頬が緩んだ。
止まらない涙でぼやけて、視界が滲んでしまうけど
葵の笑顔だけは、はっきりと私の目に映ってる。
「……まぁ、お前が欲しくないっていうならそれでいいんだ」
葵はそう言って、もう一度私の手を取った。
「いきなりこんな話しても実感湧かねぇだろうし
さっきも言った通り、今すぐじゃなくてもいい」
「………っ」
「ただ、俺の想いはこれからも変わらないから」
軽く持ち上げられた左手の、薬指を撫でて
葵はそっとキスを落とした。
「2人で、一緒に生きていこうよ」