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唇に媚薬
第15章 Yours forever

「~~~!!!」


一緒に生きて行こうと
失神してしまいそうなトドメを刺されたのも、そうだけど


「こ、こ、これ……っ」


ダムが決壊したように
再び私の両目から涙が溢れたのは



……葵が手と唇を離した、私の左手の薬指に

キラッと光る指輪がはめられていたからだ。



「……っ な、なにこの尋常じゃない輝き…!!」


思わず左手を高々と空に翳して、ゴクリと唾をのむ。

3㎜程の、Vラインのプラチナ。
ブリリアントカットした小さな粒がリボンとなり、並んだダイヤモンドに巻きついている。

ま、眩しい!
目が眩む!!


「これ、箱」

「~~へっ!?」

「俺、よく分かんねぇから
蓮と同じところにした」


いつもの無愛想な顔に戻った葵が
私の膝の上に、小さな四角いパッケージを投げてきた。


「………」


全世界に拠点があり、銀座の高級メイン通りにもブティックを構える
フランスの老舗ジュエリーブランド。

重厚なボルドー色が、私を顔面蒼白にさせていく。


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