この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
唇に媚薬
第15章 Yours forever

「~~~!!!」
一緒に生きて行こうと
失神してしまいそうなトドメを刺されたのも、そうだけど
「こ、こ、これ……っ」
ダムが決壊したように
再び私の両目から涙が溢れたのは
……葵が手と唇を離した、私の左手の薬指に
キラッと光る指輪がはめられていたからだ。
「……っ な、なにこの尋常じゃない輝き…!!」
思わず左手を高々と空に翳して、ゴクリと唾をのむ。
3㎜程の、Vラインのプラチナ。
ブリリアントカットした小さな粒がリボンとなり、並んだダイヤモンドに巻きついている。
ま、眩しい!
目が眩む!!
「これ、箱」
「~~へっ!?」
「俺、よく分かんねぇから
蓮と同じところにした」
いつもの無愛想な顔に戻った葵が
私の膝の上に、小さな四角いパッケージを投げてきた。
「………」
全世界に拠点があり、銀座の高級メイン通りにもブティックを構える
フランスの老舗ジュエリーブランド。
重厚なボルドー色が、私を顔面蒼白にさせていく。

