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唇に媚薬
第15章 Yours forever

「~~いつどこで買ったのよ!?」
野外コンサートを見終わった人達が、振り向く程の大声で
私は箱を握り締めて、葵に向けて叫んだ。
「そーいうことは聞かねぇの」
「だってこれいくらだったの!?」
「……そーいうのも普通聞かねぇんだよ」
「だ、だって……!」
「うるせーな。
初めてなんだから、分かるわけないだろ」
溜息をつきながら、葵は足を組んで座り直す。
「……シアトルからNYに移動して、速攻予約して
受け取ったのは、帰りのフライト直前」
「………!!」
「選んでる時間なんて無かったんだ」
「………っ」
「……だから
蘭が気に入るデザインかどうかは、自分の直感に賭けた」
……反対側を向いた葵を見て、心臓が飛び散った。
ここは、屋外だけど
まだ周りに人がいる気配がするけど
私、この人に抱きついてもいいですか……?

