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唇に媚薬
第16章 唇に媚薬
「もう少し、余韻に浸りたかったのよ」
「余韻?」
「葵、甘い言葉いっぱい言ってくれて
素敵だっ…たんだも、の……///」
言ってる途中から声がドモってしまった。
覆いかぶさる葵が、いつの間にか全部脱いでいて
……無駄なものが一切無い極上の体。
美しい裸体に眩暈がして、直視できない。
「調子悪ぃんだよな、マジで」
視線を逸らした私の上で、葵が舌打ちをした。
邪魔なものは全て排除するように
ベッドの上にあった衣服が、乱暴に床へ投げ捨てられていく。
「お前も知ってる通り
俺は本来、擬態語や擬情語が当てはまらない人間なんだよ」
「……ぎ、ぎたい? ぎじょう?」
「ハラハラとか、おろおろとか、ビクビクとか
特に仕事中はそんな状態になったことがねぇ」
「………」
「ましてや、最近特に頻繁に感じる……
ウキウキ、ワクワク、ソワソワ」
「………!///」
「……何かがおかしい。 ありえねぇ」