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唇に媚薬
第16章 唇に媚薬

「あ、葵、落ち着いて……」

「あんなイケメンで全身オッシャレ~な奴が相棒じゃ
俺なんて霞んで見えるだろ」

「わ、私は、葵の方が断然……」


カッコイイと言おうとした私の顎を、クイッと上げて
その指で下唇を強く引っ張られる。


「触らせてねぇだろうな?」

「……んっ/// や、待っ……」

「どうなんだよ、蘭」

「……っ ん、んぁ……っ」


指を口の中に入れられて、舌を犯される。

……あぁ、嫉妬するその表情が妖艶過ぎて堪らない。
馬乗りになって見下ろしてくるその冷たい視線が、再び私の中心を……

~~って違う違う!


「あ、葵の方こそ……っ」


葵の手を掴んで、必死に抵抗する。


「人の事言えないんじゃないの?」

「はぁ?」

「あんなに可愛いくて、純粋に慕うお嬢さんが隣りにいて
まさか気付いてないってことないわよね?」

「………!!」

「……期待させるようなこと、言ってないわよね?」


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