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唇に媚薬
第17章 ★おまけ★
○○ビル36階。
泥酔により、1軒目のワインバーを追い出されたというのに
並びのメキシカンでも同じ危機的状況になろうとしている。
「ヒメ、一世一代の告白を笑ったりするな」
瀬名の襟首を後ろから掴んで、引きずるように元の席へ戻す。
「瀬名も瀬名だ、なんでペラペラ話しちまうんだよ。
お前ら、会話するのは今夜が初めてだろ?」
ニヤニヤしながら、乱れた茶髪をかきあげるヒメ。
舌打ちして煙草に火をつける瀬名。
……いや、あのさ。
さっきから俺の話全然聞いてないよね?
「俺は喋るつもりなんて一切無かった」
煙を吐きながら、瀬名がヒメを睨みつける。
「このアホMDがしつけーのなんのって。
ウゼェから仕方なく教えてやっただけだ」
……いや、お前かなり嬉しそうに話してたけど……
「はぁ〜? なんだその上から目線は」
ウォッカを一気に呷って、ソファに仰け反ったヒメが両手を広げる。
「他人のノロケなんか興味ねぇし〜
俺はただ、早坂をからかうネタとして仕入れただけだ」
……いや、お前かなりキラキラした笑顔で聞いてたけど……