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唇に媚薬
第4章 添い寝と腕枕
「もう、そこから説明しなきゃダメなの?」
クスクス笑う蘭が、ますます理解出来ない。
到着ゲートでこいつの姿を見た瞬間
来るわけねぇと踏んでたから、そこから夢だと思ってたんだ。
「俺、バスの中で何してた?」
「寝てたよ」
「寝て……た?」
「人の肩を枕代わりにして、スヤスヤお休みになってたわよ」
いや、ありえない。
薬飲んでねぇし。
無意識でも、いつも仕事している形跡は残ってるから……
「……目を、閉じる筈がねぇんだけど」
「ふふっ、何それ。 スパイみたいね。
誰かに狙われてるの?」
真面目に言った俺の言葉を冗談だと捉えたのか
蘭はスーツケースを引いてエレベーターに向かう。
「話は後でゆっくり聞くから。
とにかく部屋に入れて」
「……蘭……」
「時差ボケ解消にはならないかもしれないけど
早くベッド入って寝よう?」
「………!」