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唇に媚薬
第1章 理想と現実
「……2回も、同じこと言わないで」
人の心を読める能力が備わっているのかと、勘繰ってしまうくらい
洞察力が鋭い葵に、こんなキッパリと予言されたら
本当に終わってしまうんじゃないかって、さすがに不安が頭をよぎる。
瀬名 葵(せな あおい)
私のひとつ年上で30歳。
小学校が同じの、幼なじみ。
家族、友人、知り合い、会社の同僚……
私が今まで生きてきて、関わった人達の中で
1番のイケメンでいい男は誰かと聞かれたら、間違いなく葵だ。
……だから
本当に残念極まりない。
「幼なじみじゃなかったら、私絶対葵のことを好きになってたと思う」
「…………」
「逆プロポーズして、私達きっと今頃結婚してた。
……残念だわ、本当に」