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唇に媚薬
第5章 攻防ゲーム

心臓吹っ飛びました。


向かい合って座る、葵の足の間にガッチリ固定されて
さらに距離が縮まる。


「手、邪魔」

「………っ///」

「蘭、諦めろよ。
俺はこの中に用があるんだ」

「~~~!///」

「お前を喰いたい」


……ヤバイ。
本当にヤバイ!

照れや遠慮は一切無し。
私を求める欲望が、心臓ど真ん中目掛けて投げ込まれてくる。

普通なら紙一重で引きそうな台詞なのに
イケメンが口にすると、衝撃波は最大値になるらしい!

こ、こんな凄まじい快感があるなんて……!


「……あ、や、やだ……!」


対象を変えた手がスカートの中に潜り込む。
タイツ越しに這う冷たい手。

この状況、普段の私だったら即ノックアウトだ。

尋常じゃないほど、濡れてる。
心も身体も熱くて……私も葵とシタイ。


……だけど……



“ ちょっとした安定剤だ ”



「………っ」


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