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唇に媚薬
第5章 攻防ゲーム

「……葵、眠れそう?」

「眠れるわけねぇだろ」


恐る恐る聞いた私の頭の上から
不機嫌MAX、葵の低い声が返ってくる。


「少しでも動いてみろ。
その瞬間に襲うぞ」

「……えっ!?」


す、少しでもって……///
さらにぎゅうって抱きしめられて、ドキドキが増す。


「あー…キッツ……」

「………!///」


私の腰に回った手が、彷徨ってる。
動こうとして、また止まって

……葵、ごめん。
私って悪い女だ。

我慢している貴方の、掠れ声も
優しい手をしながら熱を帯びた身体も

もう、キュンキュンしちゃって仕方ない。


「……葵」


動くなと言われた忠告を無視して、顔を上げる。
葵の腕の力が少し緩んだ。


「目を閉じる前に、いっこだけお願い」

「……なに」


「お休みの、キス……して?」

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