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唇に媚薬
第6章 求め合う身体

「……う、…っはぁ……っ」


やっと唇が離れて、酸素を取り入れるために大きく吸い込んだ。

左腕を伸ばして、サイドテーブルの上にあるライトのスイッチを入れた葵。
息が上がる私を見下ろす、整った顔が照らされる。


「寝すぎだ、ボケ」

「あ、葵……」

「揺さぶっても起きねぇってどんだけだよ」


え!?
そんなに!?
確かに目を閉じてから一度も起きた記憶が無いけど……


「葵は……眠れなかっ…た…?」


淡い光で、よく見えないけど
だいぶ血色が良くなったように感じるのは気のせいかな?
って、ち、近過ぎてまた心臓が……っ///


「まさかの、爆睡。
実は俺が起きたのも30分前」

「………!」

「クスリ無しで寝たから、体が軽い」


葵の右手が、私の頬を包んできて
葵の額が、私の額にコツンとくっついた。


「お前のお陰だ、蘭。
……ありがとな」

「………っ」

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