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唇に媚薬
第6章 求め合う身体
「……蘭」
再び、ゆっくりと私をベッドに寝かせた葵。
深い瞳で真っ直ぐ見つめられる。
「さっき、寝る前に……」
「………?」
「お前が口にした言葉。もう一回言って」
「………!」
左手を持ち上げられて、手の甲にキスを落とされた。
「……怖ぇんだ」
「………っ」
「まだ、夢の中にいる気がする」
……一変して、切ない表情。
今の今まで、あんなに攻め立ててきてたのに。
心の奥から熱い想いが込み上げてくる。
「……あ、おい」
両手を伸ばして、その顔をそっと包み込む。
「好き」
「………」
「葵が好き。
貴方に、恋に落ちたわ」
「……蘭……」
「大切なこと、何も見えてなかった。
……今までの私を、どうか許して」