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唇に媚薬
第7章 蓮愛相談室
なんだその言い方。
こんな昼間から喧嘩売ってんのか?
だいたい爽やかに微笑んで王子みたいなのはてめぇだろ!
後ろ見てみろボケ!
女達が全員振り返って注目されてるっつーの!
「……蓮。 ヤケに楽しそうだな」
冒頭のツッコミは心の中で叫ぶだけにして、冷静を装ってそう言うと
周りのハートの視線を気にもせず、蓮は茶碗を手に取った。
「楽しいんじゃない、嬉しいんだ」
「嬉しい?」
「あぁ、ウキウキしてる」
「……なぜ」
「瀬名が嬉しそうだから」
「………!」
その言葉で、箸を持つ手が止まる。
「その大盛定食を見て、安心した。
顔色もいいし、ちゃんと眠れてるんだろ?」
「………」
「冗談じゃなくて、最近お前よく笑ってるよ。
だから俺もみんなも、つられて笑っちまうんだ」
「……な、んで?」
マジで理解不能なので、素直に聞いてみると
蓮はふっと笑った。
「みんな瀬名が好きだから」