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唇に媚薬
第7章 蓮愛相談室

“ 隠し撮り♡ ほら、ちゃんと寝てるでしょ? ”


爆睡する俺の隣りで、満面の笑みでピースサインをする蘭。
わざわざ携帯にメールしてきた、その自撮りのツーショット写真を見るだけで

……シアワセ、的な

つーか、マジで俺なんなんだ?
何度も見返すとか、そんな柄じゃねぇんだけど。


「良かったな、瀬名王子」


その声で、ハッと我に返って顔を上げると
満足そうに蓮が笑っていた。


「ガラスの靴がピッタリはまるシンデレラ。
やっと見つけたってことか」

「……蓮。
どうしてそーいうこと、素で言えるわけ?」

「俺も感動してるんだよ。
感動しすぎて震えてくる」

「嘘つけアホ。 笑い堪えてるだけじゃねーか」

「いや、本当に。
ありのままの瀬名を見れたことが、何よりも……」


そこまで話した所で、何故か急に蓮がピタッと止まった。


「……おい、どうした?」


俺の頭越しに、何かを見てフリーズした蓮。
こいつには珍しい、しまったと言わんばかりの表情に変わる。

……なんだよ突然。
視線を追って、振り返ると


「……!」


すぐ後ろのテーブルで
蓮と同じ方向を向いた佐伯が、イスから立ち上がった。

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