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唇に媚薬
第7章 蓮愛相談室

「瀬名、お前佐伯とコンビ組んで何年めだ?」

「は?」

「答えろ」

「……あいつが入社してからだから、再来月で4年目……だけど」


蓮の口調が悪くなったので、指示通り箸を置いて素直に返事をしてみる。
やべーな、目がマジなんだけど。
俺そんなにヤバいことした?


「それだけ長いなら、分かるだろうが」

「……何が?」

「大体、彼女に設定してるとか普通言わねーよ。
仕事だと完璧な駆け引きするくせに、バカ正直というか鈍感っつーか……」

「………」


……いや、俺は童貞でも鈍感でもねぇから
蓮がここまで言うってことは、頭の片隅を掠めた予想は合ってるんだろうけど……


「……蓮。
もしかして、佐伯が俺に惚れてるとでも思ってるわけ?」

「………」

「あー、ないない」


無い。
100パーセントありえません。
手をひらひら振って、蓮の勘違いだと付け加える。


「あいつはそこまで見る目無い女じゃねぇよ。
俺なんかに惚れる理由なんてどこにも……」


グシャッ……!!


「………!?」


俺の話を遮って
蓮は飲み干した紙コップを片手で潰した。

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