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唇に媚薬
第7章 蓮愛相談室
「瀬名」
「……はい」
同期や友人達の中で、俺に敬語を使わせるなんてこの男くらいだ。
普段穏やかな男がキレると、凄い迫力なんですけど。
「思い込みほど、痛いもんは無い」
「………」
「相手の気持ちは、相手にしか分からないんだよ。
特に女心なんてものは、天候と同じだ。
男には絶対に読めない」
……お前もオトコだよな?
ってツッコミたいけど、こいつは理解してそうで何も言えない。
椅子に座ってるけど正座してる気分。
「だいたい、自分に置き換えて考えてみろよ」
「……と、言いますと」
「お前が惚れてるお姫様に、もし同じ事を言われたとしたら
どー思う?」
「………!」
“ 諸事情で、お前は俺の彼女になってる ”
……佐伯に言い放った自分の言葉。
俺、バカ?
今更だけど、客観的に聞いたらすっげー気持ち悪い。
それに
今蓮が言った通り、もし蘭に言われたりしたら……
“ 葵、見逃して♥
偽ってる相手は1人だけだから、迷惑はかけないわ ”
“ どうしても、逢い続けたい好きな人がいて
愛してるその人を、繋ぎ止めたいだけなの ”