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唇に媚薬
第7章 蓮愛相談室

「…………」


蓮がじっと俺を見たので、その目を真剣に見つめ返す。
憐れむような冷めた視線を送られても、困ってるんだから仕方ない。


「瀬名、離して」

「俺じゃなくて、お前に頼んでるんだ」

「いや、そうじゃなくて……」

「俺は話したくない」

「よし分かった、それ以上喋るな」


蓮は周囲を見て深い溜息を漏らすと、肩を落として声を潜めた。


「……瀬名、お前置き換え方間違えてない?」

「は?」

「途中から要らぬ妄想まで繰り広げたんじゃないの?」

「どーいう意味?」

「俺は佐伯の話をしてるんだけど」

「え?」

「あ~~、いいよもう」


明らかにうんざりした顔をして、蓮は俺から手を引いた。
残りのメシをすげー早さでかけ込んでいく。


「この話は保留。
俺午後一で出なきゃいけないんだ」

「~~てめぇから引っかけたくせに逃げる気か!?」

「悪い、面倒になった」

「~~おい!
お前は面倒とか絶対言っちゃいけねぇキャラだろ!」

「検討を祈る。 瀬名はいい男だよ」

「なんだその投げやりは!」








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