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第8章 抱擁

『あら？それはご苦労様。気を付けていってきてね』


明るく、小さく手を振りながらあたしが言うと


『有希....寂しくないの？』


コータの方が寂しそうですけど？
ちょっと涙目？....なんか、可愛い。


『平気。コータの奥さんは強いんですよ？』


ピースサインをして....少し、ふざけてみた。
のが、お気に召さなかったらしく....
すっごく、甘えるような、食べられちゃうくらい濃厚なキスをあたしの唇にぶつけて


『帰ったら、有希のこと抱くから。....お風呂入っててよ....あと、覚悟もしてて』


言葉と、耳の後ろの筋にチリッと小さな痛みを与えられた。