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あたしの王子、俺だけの姫
第8章 抱擁
車を降りたらコータに手を繋がれて引っ張られるように早足で玄関まで歩く。
鍵は既に手の中にあるから、後は鍵穴に差し込むだけ........
と、その時。
コータのスマホが着信音を鳴らした。
メールかと思ってコータは確認するけれど、あたしの手は離さない。
どうやら電話のようで、コータが対応すると段々と眉間に皺が入っていく。
トラブルでも起きたかな?
なんて繋がれた手を見ていたら大きなため息が聞こえた。
『有希....ごめん。会社に行かないと....取引相手が急に来日したって連絡。担当が俺だから顔を出さないわけにはいかなくって....』
怒っているのか悲しんでいるのか....どっちとも取れる顔をして、コータはあたしの肩におでこを乗せてきた。