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あたしの王子、俺だけの姫
第2章 愛情

引っ越しはあっという間だった。
業者さんの手際のよさに脱帽。
闘いが決行されて初めての週末の今日、社長さんが持っていた3LDKマンションが新しいあたしのおうちになった。
そして、『コータ』と呼ぶことに。




『今月末じゃなかったの?あたしの引っ越し』
って、コータに聞いたら

『業者に聞いたら今週末空いてるって言うからさ。善は急げって言うだろ?』
と、コータはケロリとぬかしおった。


簡単な荷物だけ取りに戻り、ご飯を食べるのも含めて必需品を新しく購入しようと出掛けている間に全ての作業を済ませていたんだから驚きを通り越して........呆れる?



3つある部屋のひと部屋が、以前のあたしの部屋と同じになった。
もとの床板や壁は違うんだけど........。
荷物がね、まるっと移動してきたのよ。
配置がね、一緒。
拍手~!



「有希、足りないものとかない?壊れたものとかも」


コンコンと、開かれたままのドアがノックされて浩太が立っていたことに気づく。
一応、遠慮しているのか部屋の中に入ってこない。


「コータ、遠慮してんの?入ってこれば良いのに」


あたし、別にそこまで嫌いじゃないよ?
なんせねぇ、コータの声って好みだし....?
オホン!い、一緒に住むんだし、ある程度は仲良くしなきゃね。


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