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翻弄の果てに
第10章 新しい家族
『祥子、環に変わった様子は無かったか?いい!今すぐ戻るぞ!来い!』
悠太は祥子の腕をむんずと掴むと、駅に急いだ。
今朝まで、環と祥子が居た温泉地へ向かう。
悠太の形相は、心配や不安を超えて、怒りの塊のようであった。
祥子はといえば……
自分を責める。自分さえ、悠太を愛さなければ…… 愛したことを我が胸に抑えてさえいれば……
そんな、何の解決策にさえならないことを思い巡らせるしかない。
悲しい知らせは、旅館に着いて間もなくやって来た。