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翻弄の果てに
第13章 家族〜いのちの誕生〜
ベッドに座り、たばこの煙りをフーッと吐くと、

『今度の連休、3人でどこかに行こうか。』

と、言った。


『珍しい!いいわね(笑)気候もいいし、きっと未来も喜ぶわ!』

『未来が生まれるまでは、しょっちゅう出かけたな。近場しか行けなかったけど。』

『そうね。楽しかったわね。未来が生まれると、途端に悠太さんは出なくなったわ。』

『だから、それは…』

『えぇ、わかってるわ。遠出は赤ちゃんには負担だから、でしょ?』

『祥子も大変だと思ってのことだ。コホン…』

『はいはい。そういうことにしましょうね(笑)』


なんでだろう……
確かに俺は、未来を連れ出すことにためらいを覚えていた。
誰にも汚されたくない!
触れさせたくない!
俺の大事な宝物なんだ!

そんなふうに考えていたように思う。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


四年前………


『ふんぎゃあ!んぎゃあ!んぎゃあ!』

『お父さん!かわいい女の子ですよ(笑)おめでとうございます。』

有頂天だった。祥子は娘より赤ちゃんだと、俺を笑った。

『ねぇ、環さんに似てない?』

祥子のこの一言が、俺を一変させた。

『い…いや、祥子にそっくりさ(笑)』

そうは言ったが、環に似ている、と、俺も思っていた。




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