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翻弄の果てに
第16章 激怒 絶望 そして再び…
家へと向かう帰路の旅は、重苦しい時間だった。

しかし

未来には決意をするには充分な時間でもある。
両親への言い訳などは何も考えてはいない。

(私が決めたことだもの。何年先でもずっと同じ、変わらない。そのことを確かめる旅だっただけ。)



力は複雑な思いだった。
未来への気持ちは変わりようがない。しかし、こんな形で御両親が納得する訳がない。

理性を欠いた行動だった。
きちんと挨拶さえしていない。まして、力を覚えているかどうかも不確かだ。

(とにかく、先ずは謝ろう。どんなに罵倒されようと、そうさせたのは自分。俺だって大切な一人娘をたぶらかした男には、一発や二発殴ったところで、気なんかおさまるはずはないから。)


会話の無い二人の脳裏には、それぞれの思いが渦巻いているのだった。




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