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翻弄の果てに
第16章 激怒 絶望 そして再び…
『自分の意思を持ちながら、それを歪め、パパから身を引いたんでしょ?』


『みーちゃん…どうしてそれを?』

『おじいちゃま、私、おじいちゃまとおばあちゃまの話を聞いてしまったの。』


『未来……』

『ママ、ごめんなさい。でもね、聞いてショックだったけど、今は良かったって思ってるの。』



未来は祖父母の会話を聞いてしまったのだった。
環の死、悠太の狼狽、祥子の再婚。
全てを理解するまで、どれ程未来が傷つき苦しんだか……

それでも、まだたった15歳の未来だったが、両親にそんな苦しみを隠し続けた。受験を乗り切り、高校生になった数ヶ月前、自分なりの理解をしたのだった。

そして、確信した。

ママの行動は間違ってる。パパの人生はママの青春を壊した。と。



無論、未来の見解が正しいとは言えない。
第一、正しいとか正しくないとか、そんなことは当事者が思ったり感じることだ。少なくとも悠太と祥子は『良し』として夫婦なのだ。



ただ……

未来はまだ大人ではない。
危うさが多々残る、まだ16歳。
自分の言動の矛盾に気づけない年齢でもある。


その場に居る4人は、注意深く未来の言葉に耳を傾けていた。




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