この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
翻弄の果てに
第22章 翻弄の果てに
環と暮らした愛の巣は朽ち果て、もう、中になど入れる状態には無かったが、脳裏に焼き付いた光景は、肉じゃがの匂いと柔らかい環の髪の感触。

やんちゃな俺と穏やかな笑みを浮かべた環の姿。

俺の中にはっきりと蘇っていた。



『悠太さん、ひまわり。』

昔、花を育てたスペースに若いひまわりが成長途中にあった。

『これ、悠太さん達が植えた種?』

『きっと。』

『命は絶たれずに、しっかりと二人の証を咲かせ続けていたのね……』

祥子は泣いていた。

『環さん、お久しぶりです。貴女の願った通りになっていますか?
環さん、私はとても幸せです。悠太さんは幸せを感じてくださっているかしらね。
環さん、私は不思議と環さんに嫉妬をしないでこられました。きっとここで、ずーっと私を支えてくださっていたのね。ありがとう、環さん。』


『環。もうここに来ることはないだろう。俺はこの場所から卒業だ…長かったよ…ここに来ることが怖かった。ここに来たら、環と俺の数年間が失くなってしまうようでな。でも…』

『でも、来てよかった。でしょ?』

『ああ。来てよかった。環、これから先は祥子だけの幸せを育てていく。だから、けじめがつけられた今、環とはさよならだ。
おふくろ…、おふくろさん…俺達二人の幸せをこれからも見届けてくれ。な?』


そこに、今咲こうとしているひまわりに、俺達は思い思いに語りかけ続けた。




/420ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ