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翻弄の果てに
第22章 翻弄の果てに
宿を出て、最終目的地へと車は走り出した。
心なしか俺は緊張していたようだ。
祥子の問い掛けにも気づかない様子に、祥子は俺の手を握った。
『動揺しているのね?大丈夫。貴方の最高の時間を過ごした所よ。きっと貴方を温かく迎えてくれるわ。』
年下とは思えない、ゆったりと構えた祥子に、俺は癒されていた。
『いよいよだ…』
『この村?』
『そう。俺が移動販売車で走った道だよ。…あっ、握り飯をくれた婆ちゃんちだ。もう婆ちゃんはいないんだろうなあ。』
悠太は懐かしい道を、祥子に話しかけながらゆっくりと走った。
移動販売車の経路を走り、スーパーがあった場所、農協、集会所をまわり、環と暮らした家へ向かった。
スーパーは場所を替えて営業していた。
白菜やカボチャが重いと言ったおばちゃんらしき婆ちゃんが居たように思ったが、話し掛けることはしなかった。
『もう、隣の町とでも統合して無くなってるんじゃないかと思ってた。まだ存在していただけで感激だよ。』
『そうね。本当にあってよかったわね。』
環と俺の生活が、確かにここにあったんだ。
心なしか俺は緊張していたようだ。
祥子の問い掛けにも気づかない様子に、祥子は俺の手を握った。
『動揺しているのね?大丈夫。貴方の最高の時間を過ごした所よ。きっと貴方を温かく迎えてくれるわ。』
年下とは思えない、ゆったりと構えた祥子に、俺は癒されていた。
『いよいよだ…』
『この村?』
『そう。俺が移動販売車で走った道だよ。…あっ、握り飯をくれた婆ちゃんちだ。もう婆ちゃんはいないんだろうなあ。』
悠太は懐かしい道を、祥子に話しかけながらゆっくりと走った。
移動販売車の経路を走り、スーパーがあった場所、農協、集会所をまわり、環と暮らした家へ向かった。
スーパーは場所を替えて営業していた。
白菜やカボチャが重いと言ったおばちゃんらしき婆ちゃんが居たように思ったが、話し掛けることはしなかった。
『もう、隣の町とでも統合して無くなってるんじゃないかと思ってた。まだ存在していただけで感激だよ。』
『そうね。本当にあってよかったわね。』
環と俺の生活が、確かにここにあったんだ。