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翻弄の果てに
第4章 穏やかな日々
嘘で固めた言い訳は、それでも両親を安堵させるには充分だった。
両親が強気に、あの男を跳ね退けられたのには、理由があった。
二人は結婚式は挙げた。
しかし、婚姻届は提出していないことがわかったからだ。
当初、環が姿を消した時、警察、役所、銀行と、いろいろ手を尽くしていたが、ことごとく、男の申し出は断られていた。
あかの他人だからだ。
婚姻関係が成立していないことで、姉の個人情報は守られたのだ。
更に、その事実が両親の知るところとなると、両親は警察に家出人捜索の取り消しをした。DVから逃げた娘を静かに暮らさせてあげたいという理由で。
そうして、両親も、俺達も平穏な日々を送っているのだ。
両親が強気に、あの男を跳ね退けられたのには、理由があった。
二人は結婚式は挙げた。
しかし、婚姻届は提出していないことがわかったからだ。
当初、環が姿を消した時、警察、役所、銀行と、いろいろ手を尽くしていたが、ことごとく、男の申し出は断られていた。
あかの他人だからだ。
婚姻関係が成立していないことで、姉の個人情報は守られたのだ。
更に、その事実が両親の知るところとなると、両親は警察に家出人捜索の取り消しをした。DVから逃げた娘を静かに暮らさせてあげたいという理由で。
そうして、両親も、俺達も平穏な日々を送っているのだ。