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翻弄の果てに
第4章 穏やかな日々
姉さんは、ちゃんと俺の気持ちに気付いていた。

このまま、ズルズルと一緒に暮らしていたら、とんでもないことになるかも知れない、と、不安を抱えていたのはむしろ、姉さんの方だった。

そんな不安を抱えていたなんて、考えもしなかった俺は、「ガキ扱い」されたようで、面白くなかったし、イラついていた。


翌日から、姉さんの作る弁当を断り、会話も必要最低限になった。

どこかで 意気がっていなければ、自分を保てなかったんだ。



『悠ちゃん、起きてる?そのまま聞いて…』

襖越しに姉さんの、思い詰めたような声がした。




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