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翻弄の果てに
第5章 性(さが)
男と女がひとつ屋根の下に暮らし、互いに愛し合っていることが判ってしまった以上、気にしないふりなど、もうできない。
しかし……
『ダメよ、悠ちゃん。』
キッチンに立つ環に、後ろから抱き着きたくても、察知した環は、必ずそう言って俺をフリーズさせてしまう。
「俺を弄んでいるのか?」
そう思わせる環の行動に、何故か俺は、怒りも湧かない。むしろ、可愛いと感じてしまうのだ。
「両思い」になった安心感なのか、心にゆとりさえ覚える。
家の中は、笑い声が増えた。手放しに喜んだり、楽しむことに、心のどこかで躊躇していた俺達だったが、それも時間と共に薄れていった。(少なくとも俺は…)
環は見合いを断り、仕事は週に4日のシフトに変わっていた。
見合いは、もともと、相手側も『結婚は考えてないから。』と、言われていたらしく、間に入ったおっさんも、実は「ホッ」としていたらしい。
しかし……
『ダメよ、悠ちゃん。』
キッチンに立つ環に、後ろから抱き着きたくても、察知した環は、必ずそう言って俺をフリーズさせてしまう。
「俺を弄んでいるのか?」
そう思わせる環の行動に、何故か俺は、怒りも湧かない。むしろ、可愛いと感じてしまうのだ。
「両思い」になった安心感なのか、心にゆとりさえ覚える。
家の中は、笑い声が増えた。手放しに喜んだり、楽しむことに、心のどこかで躊躇していた俺達だったが、それも時間と共に薄れていった。(少なくとも俺は…)
環は見合いを断り、仕事は週に4日のシフトに変わっていた。
見合いは、もともと、相手側も『結婚は考えてないから。』と、言われていたらしく、間に入ったおっさんも、実は「ホッ」としていたらしい。