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甘やかな縄
第2章 蛹化(ようか)
 六郎は驚きながら、


(六さんがいてくれたらって、つまり、俺が居ればOKってことか?てことは?いや、あせるな。)


 六郎は自分の気持ちを押さえ込むように、美由紀に聞いていた。


「俺がいたらって、夢ありがとう、その言葉だけで俺にとってはご褒美だよ。」


「そんな、ご褒美だなんて、私も嬉しい。六さんに会えて幸せです。」


 美由紀は自分の言葉にビックリしながら、


(ばか!なに言ってるの、ダメよ、この人の正体もわかってないんだから。でも、私、もっと知りたい。イケルようになりたい。)


「夢、ベッドへ行こうか?夕方まで眠らないか?初めてで疲れただろう、夢。」


 六郎の言葉に、コクりと頷き美由紀は彼に抱かれベッドに運ばれた。


「ユックリ身体を休めるんだよ、夢。俺も少し眠るよ。」


 美由紀をベッドに置き、シーツを被せ六郎は横に潜り込んだ。
 御互いに唇を求め合い、舌と舌が触れ合い吸いあった。
 唇が放れ、お互いを見つめ合い、美由紀は六郎に身体を密着させ、身体を預けるようにしてねむった。
 六郎も美由紀の柔らかい感触と、温かい人肌に包まれ眠りに引き込まれた。
 六郎が目覚めたのは、夕方の六時を少し回っていた。
 美由紀を起こさないようにしながらベッドを抜け出し、シャワーを軽く浴びながら、これからどうするか迷っていた。


(うーん、どうするかな?まずは食事か。あとは彼女次第かな?いや、どこまで明日までにやれるかやな、次はないかもしれへんしな。)


 美由紀のマゾとしての素質の高さを感じながら、彼女とのことが一度きりで終わる予感がしていた。
 さっぱりした気分で部屋に戻ると、美由紀はまだスヤスヤと寝息を立てていた。
 均整の取れた美由紀の裸体は、それだけで鑑賞するに価していた。


「うーん、ええ身体してるなぁ。縄も似合うてたし。これっきり言うのはもったいないなぁ。まあ、時間はタップリあるわ。」


 六郎の中になぜか、美由紀とはこれきりのような気がずっとしていた。


(割りとエエとこの奥さんみたいやし、つぎがないんやったら、厳し目にいくか?いや、無理はさせん方がええなぁ。どうする?)


 少し、美由紀をどう調教するか迷い気味になっていた。
 彼の思考を停止するように、美由紀の指先がピクリと動いた。
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