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short story
第10章 遥斗の長い長い一日 /haruto
「もう・・・シュウくんダーメ」
すると鼻につく声の母親がいちかに乗っかる子供を引き離す。
それは俺をチラチラ見ていたあのお母さんだった。
よくよく見ればどこかで見たことあるような・・・?
「ごめんなさいね、大丈夫?」
「えっ・・・いや・・・」
「ホラ、シュウトもごめーんね、って」
男の子が離れるといちかは大慌てで俺の膝にまたがりピッタリ抱きつく。
そのお母さんはいちかの背中の名札を見て「確信した」という顔をした。
いちかは相変わらず俺にしがみついてひんひん泣いている。
元来の泣き虫をすっかり棚に上げ、怖かったんだと思ったら可哀想で仕方ない。
「・・・遥斗くんだよね?都南のサッカー部だった」
「!」
思わずそのお母さんを見た。
・・・だけど俺の他にももう一人反応してる奴がいた。
茉美だ!
「久しぶりだね、覚えてるかな」
「えっと・・・」
「美咲、短い間だったけど付き合ってた」
「・・・・・・!」
確かにそれは明成高校の女子マネ美咲だった。
笑うとできるエクボも巨乳も健在だ。
美咲は見るからにセレブ妻みたいな風貌で微笑んでいる。
「遥斗くんもパパになってたんだね」
「まぁ・・・」
「なんかびっくり~」
・・・やたらとフレンドリーな美咲が怖い。
美咲は俺が隣のクラスの明菜と二股をして、うちの玄関先で修羅場になったあの彼女だ。
だからフレンドリーにされる筋合いが正直ないのだが・・・
「いちかちゃんっていうの?」
「えっ・・・」
「いちかちゃーん、可愛いなぁ」
・・・でもそこで俺は気づいた、能面みたいな美咲の笑顔に・・・
「・・・・・・・・・」
怖い。
美咲から目を背けると茉美と目が合う。
俺は平和なはずの保育園で地獄を見ていた。
その時美咲の坊主が暴れて友だちの方に走って行った。
「あっ、シュウくん!もう・・・」
美咲がママ友軍団の輪の中に戻ると周りのママ友が騒ぎ出す。
「誰?」
「元カレ~」
・・・やめてくれ。
さすがの俺も項垂れた。
「えっ、ヤバーイ・・・!これが切っ掛けでヨリ戻しちゃったりして?」
「何でよー」
「不倫はダメだよー」
「もーっ、しないってぇー!」
何故か満更でもなさそうな美咲の声が保育室に響いている。
すると鼻につく声の母親がいちかに乗っかる子供を引き離す。
それは俺をチラチラ見ていたあのお母さんだった。
よくよく見ればどこかで見たことあるような・・・?
「ごめんなさいね、大丈夫?」
「えっ・・・いや・・・」
「ホラ、シュウトもごめーんね、って」
男の子が離れるといちかは大慌てで俺の膝にまたがりピッタリ抱きつく。
そのお母さんはいちかの背中の名札を見て「確信した」という顔をした。
いちかは相変わらず俺にしがみついてひんひん泣いている。
元来の泣き虫をすっかり棚に上げ、怖かったんだと思ったら可哀想で仕方ない。
「・・・遥斗くんだよね?都南のサッカー部だった」
「!」
思わずそのお母さんを見た。
・・・だけど俺の他にももう一人反応してる奴がいた。
茉美だ!
「久しぶりだね、覚えてるかな」
「えっと・・・」
「美咲、短い間だったけど付き合ってた」
「・・・・・・!」
確かにそれは明成高校の女子マネ美咲だった。
笑うとできるエクボも巨乳も健在だ。
美咲は見るからにセレブ妻みたいな風貌で微笑んでいる。
「遥斗くんもパパになってたんだね」
「まぁ・・・」
「なんかびっくり~」
・・・やたらとフレンドリーな美咲が怖い。
美咲は俺が隣のクラスの明菜と二股をして、うちの玄関先で修羅場になったあの彼女だ。
だからフレンドリーにされる筋合いが正直ないのだが・・・
「いちかちゃんっていうの?」
「えっ・・・」
「いちかちゃーん、可愛いなぁ」
・・・でもそこで俺は気づいた、能面みたいな美咲の笑顔に・・・
「・・・・・・・・・」
怖い。
美咲から目を背けると茉美と目が合う。
俺は平和なはずの保育園で地獄を見ていた。
その時美咲の坊主が暴れて友だちの方に走って行った。
「あっ、シュウくん!もう・・・」
美咲がママ友軍団の輪の中に戻ると周りのママ友が騒ぎ出す。
「誰?」
「元カレ~」
・・・やめてくれ。
さすがの俺も項垂れた。
「えっ、ヤバーイ・・・!これが切っ掛けでヨリ戻しちゃったりして?」
「何でよー」
「不倫はダメだよー」
「もーっ、しないってぇー!」
何故か満更でもなさそうな美咲の声が保育室に響いている。