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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
お兄ちゃん・・・
みなみはそう呟いた。


浴衣を乱れさせ、俺に跨るみなみは「お兄ちゃん」からどう見えたのか・・・


二人は見合ったまま動かず、俺もみなみの兄さんから目が離せない。


「何をしてるんだ・・・」


静かな声で兄さんが訊ねる。


「・・・・・・・・・」


みなみは何も言わない。
でも俺の顔を兄さんから見えないようさり気なく隠した。


「みなみ、答えなさい」


「・・・・・・・・・」


答えないみなみに兄さんは少しずつ怒りの色を滲ませる。


「みなみ!」


「・・・・・・・・・」


黙秘し続けるみなみに兄さんの苛立ちが募るのが手に取るように分かり、みなみは俺に回した手に力を込める。


「じゃあ言葉を変えよう・・・離れなさい」


「・・・・・・・・・」


「離れなさいみなみ!」


兄さんの声はどんどん大きくなる。
その迫力に俺でさえビビるけど、みなみはひるまない。


「お兄ちゃんが行ったら離れます」


「・・・今すぐだ」


「嫌」


空気はピンと張り詰めたようで、俺はどうしたらいいのか・・・情けないけどグルグル思考が巡るばかりだ。


「みなみ・・・お前はいつからそんな売女みたいなことをするようになったんだ」


「売女って・・・」


「お兄ちゃんはいつも言ってたはずだ、男は狼なんだって・・・お前は何を聞いてたんだ!その上こんな・・・とにかく離れなさい」


「・・・・・・・・・」


「早く!!」


観念したように、兄さんを見たままみなみがゆっくりと俺から降りる。
そして浴衣を簡単に直して兄さんに向き合った。


「・・・帰るぞ」


「彼と帰ります」


言うことを聞かないみなみに兄さんは何かを言いかけ、そして苛立ちを隠さず話す。


「その男は誰なんだ」


「彼氏です」


「彼氏・・・お前はいつの間に・・・」


みなみの兄さんは凄い迫力だ。
その迫力に昔、みなみの友達と偶然帰った時に会った大男がダブった。


「!」


あの子は「トオル兄さん」と呼んでいた。
みなみの話になった途端その顔を緩ませた。


あれはあの子の兄さんじゃなく、みなみの兄さんだったのか・・・








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