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short story
第13章 遥斗先輩とみなみちゃん 後編 / haruto
「・・・そこの男」
「!」
「名前は?」
突然俺に振られ、反射的に立ち上がる。
「や、山下と言います、みなみさんとは・・・」
―――みなみさんとは真剣にお付き合いさせてもらっています。
そう言いかけると早くも言葉を止められる。
「悪いがみなみとの交際は無かった事にしてくれ」
交際を無かった事に・・・
それは別れろと言っているのか。
一瞬の間の後、俺が口を開くより先にみなみの声が響いた。
「嫌」
間髪入れずに、キッパリみなみが答えると兄さんは弾かれたように怒鳴った。
「お前には聞いてない!!!」
「嫌・・・遥斗が別れるって言ってもみなみが別れない!」
「だからみなみ!」
「遥斗が好きだから離れない!!」
そして俺にギュッと抱きつく。
兄さんは呆然とその様子を見ている。
花火の音が夜空に響いて俺たちを嘲笑うかのようだ。
「・・・あの、俺も同じです。俺もみなみが好きだから離れません」
「お前には聞いてない」
「聞かれてなくても聞いてください、ご挨拶も遅れたしこんな時で・・・でも俺、みなみのこと本当に本気で大事に思ってますから」
俺の言葉を兄さんは黙って聞いていた。
・・・が、
「そういう台詞はベルトを閉めて言うんだな」
「!」
さっき外したベルトを慌てて閉め直す。
「は、遥斗・・・」
「ごめん」
みなみにだけ聞こえる声で謝って、気を取り直して向き合った俺に兄さんは言った。
「大事に思ってる相手とこんな野外で接吻するのか」
「・・・・・・・・」
「誰に見られるかも分からない野外で・・・それがお前の言う“大事”なのか」
「・・・・・・・・・」
何も言えなかった。
兄さんの言うことは間違ってはいない。
「そしてベルトまで外して・・・隙あらば淫らな行為に及ぼうとしてたんじゃないのか!?」
「そ、そんなんじゃないもん!遥斗がベルトしてくるの忘れちゃったからみなみが閉めてあげようと・・・」
嘘が下手なみなみの言い訳はどうしようもないくらい下手くそなもので。
「そんな嘘を俺が信じると思うのか!!!!」
案の定兄さんは大激怒する。
「!」
「名前は?」
突然俺に振られ、反射的に立ち上がる。
「や、山下と言います、みなみさんとは・・・」
―――みなみさんとは真剣にお付き合いさせてもらっています。
そう言いかけると早くも言葉を止められる。
「悪いがみなみとの交際は無かった事にしてくれ」
交際を無かった事に・・・
それは別れろと言っているのか。
一瞬の間の後、俺が口を開くより先にみなみの声が響いた。
「嫌」
間髪入れずに、キッパリみなみが答えると兄さんは弾かれたように怒鳴った。
「お前には聞いてない!!!」
「嫌・・・遥斗が別れるって言ってもみなみが別れない!」
「だからみなみ!」
「遥斗が好きだから離れない!!」
そして俺にギュッと抱きつく。
兄さんは呆然とその様子を見ている。
花火の音が夜空に響いて俺たちを嘲笑うかのようだ。
「・・・あの、俺も同じです。俺もみなみが好きだから離れません」
「お前には聞いてない」
「聞かれてなくても聞いてください、ご挨拶も遅れたしこんな時で・・・でも俺、みなみのこと本当に本気で大事に思ってますから」
俺の言葉を兄さんは黙って聞いていた。
・・・が、
「そういう台詞はベルトを閉めて言うんだな」
「!」
さっき外したベルトを慌てて閉め直す。
「は、遥斗・・・」
「ごめん」
みなみにだけ聞こえる声で謝って、気を取り直して向き合った俺に兄さんは言った。
「大事に思ってる相手とこんな野外で接吻するのか」
「・・・・・・・・」
「誰に見られるかも分からない野外で・・・それがお前の言う“大事”なのか」
「・・・・・・・・・」
何も言えなかった。
兄さんの言うことは間違ってはいない。
「そしてベルトまで外して・・・隙あらば淫らな行為に及ぼうとしてたんじゃないのか!?」
「そ、そんなんじゃないもん!遥斗がベルトしてくるの忘れちゃったからみなみが閉めてあげようと・・・」
嘘が下手なみなみの言い訳はどうしようもないくらい下手くそなもので。
「そんな嘘を俺が信じると思うのか!!!!」
案の定兄さんは大激怒する。