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short story
第3章 これが私の生きる道/tamami
―――あれから、ミーコにも愛姫にも会ってない。
でも愛姫の養育費は今だに払い続けてる。
あたしにできる唯一の償いだし、愛姫も大学に行ってればまだ学生だし、それにそれがあたしと彼女たちの唯一の繋がりだから・・・


愛姫は・・・ミーコからあたしのことどんな風に聞いてるのかしら。
最低な父親だって・・・?
そう言われても仕方ないわね・・・


もしかしたら新しいお父さんもできてるかもしれない。
あたしのことなんて忘れちゃったかもしれない。


願わくば生きてるうちに彼女たちとまた会いたいけど・・・





「玉美・・・またアザミ?」


アザミの花を飾るとママは地味だと嫌がる。


「いいでしょ?あたしこの花好きなの」


「地味なのよ!地味!!それにそれ、そこら辺に咲いてる花でしょ?」


「地味でも凛としてて綺麗じゃない?道端に咲いてるのだって・・・逞しくていいじゃない」



真っ直ぐ咲くアザミはミーコを思わせる。
でも・・・この茎をポッキリ折ってしまったのはあたしなのよね・・・



「玉美、そろそろ店開けてちょうだい」


「・・・・・・はーい」



ミーコと別れてからあたしは身も心も女になった。
だって・・・そうじゃなきゃ意味がないじゃない。


家庭を、大切な人を壊してまで手に入れたかった生き方だもの。
そうしなきゃ誰も救われないのよ・・・本当に・・・








でもね、でももし仮にもう一度過去に戻れるなら・・・
今度はあたしを殺して男として生きると思う。


ミーコの為に、愛姫の為に・・・


でもどんなに悔いても戻れないのが人生で、自分のした選択に責任と誇りを持って生きていかなきゃならないのよね。


アザミの花びらにそっと触れ、店を開けるために立ち上がった。














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