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short story
第3章 これが私の生きる道/tamami
一年先輩のミーコは卒業後、美容学校に進んだ。


一年後・・・あたしは最低偏差値の高校に進学したけどヤンキーばっかで喧嘩ばっか売られ、そんな高校生活に嫌気が差して中退した。


バイトしながら美容師になったミーコと同棲を始めた。
ミーコとの生活は楽しかった。
そこには喧嘩を吹っかけるヤンキーもいなければあたしもヤンキーでいる必要はなかったから・・・


あたしたちは自然だった。
あたしの中の女と男が上手く共存して、釣り合いも保たれていたように思う。


そんな生活を三年ほど送った頃、ミーコが妊娠した。
それを期にあたしは土木事務所に就職して結婚した。
そして娘が生まれた・・・


娘は本当に可愛かった。
あたしの全てだった。


娘の名前は愛姫と書いてアキと読む。
誰からも愛されるプリンセスになるように・・・
女の子は誰もがお姫様だもの。


その頃のあたしは半袖焼けが逞しいマッチョなイケメンだった。
当時の写真を見ると自分でもウットリするくらいカッコいい。


でもね、就職して気づいたの。
あたし・・・男が好きなんだって・・・


会社には同じようなマッチョなイケメンが沢山居たのよ・・・
パラダイスだと思ったわ。


いつしかあたしは彼らに抱かれたいと思うようになった。
彼らに女として見られたいと思うようになったの・・・


少しでも可愛く見られたくてアイプチで二重にしてみたりムダ毛の処理に気を使ったり・・・だんだん女の比率が大きくなっていった。



同時にミーコを抱けなくなった。
その辺りからあたしとミーコの歯車が狂い始めた。



ミーコはあたしに父親の役割を望んだ。
もちろんあたしだってパパでいたつもりよ?
だけどある日言われたの・・・うちには父親が居ない、母親が二人だって・・・


あたしは気づかなかった。
ミーコがあんなに大きな不満を抱えてたなんて・・・


あたしが男が好きなことも女として見られたがってることもミーコは見抜いてた。


ミーコはいつでも凛として優しくて・・・あたしの中の「女」を否定したことなんか一度もなかった。


でも認めてくれてたんじゃなくて心を壊すくらい我慢してただけだったんだ・・・



そしてあたしとミーコは離婚した。
愛姫が三歳の時のことだった。





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