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short story
第18章 男の勲章/ haruto
バカップルと言われる俺とみなみだが、俺から見てもバカップルだと思える人が居たりする。


それは他でもない義両親・・・
そう、みなみのお父さんとお母さんだ。


―――ここで勝手にご紹介をさせていただこう。


みなみの父、勇さん。
お義母さんからは「むーちゃん」と呼ばれている。
飄々として、ダジャレを愛するお茶目な人だ。


みなみの母、笑子さんは通称「えっちゃん」
のほほんとしたみなみとお義父さんをグイグイ引っ張る頼もしいお方だ。


二人の出逢いはバブル時代、むーちゃんがお立ち台で踊るえっちゃんに一目惚れしたことに始まるそうだが・・・
あのお義父さんとお義母さんがナントカトーキョーなんてとこに通っていたなんて、俺は正直信じてない。


・・・というのもえっちゃんは今、スーパーでレジ打ちの魔術師と呼ばれるほどのカリスマパート主婦だ。
俺も何度かみなみと買い物に行った事があるが、他のレジとえっちゃんのレジでは客の流れが全然違うのだ。


赤い頭巾を被りレジを打つえっちゃんの貫禄は、見るからに人を安心させ頼りたくなるものがある。
パート歴16年、パートナーチーフにまで上り詰めたあのおばちゃんがナントカトーキョーで扇子を振っていたなんて・・・


それに「布団が吹っ飛んだ!」なんて、今時子どもでも言わないようなベタなダジャレを自分で言ってウケてるあのおじさんが夜の遊び場に通っていたなんて・・・


しかもむーちゃんに口説かれいい雰囲気になった二人はその夜、ホテルラスベガスでベッドイン、ワンナイトから始まったそうだ。


熱い夜だったそうだ・・・


夜を共にして更にえっちゃんに惚れたむーちゃんは、いても経っても居られず告白し、二人は付き合い出した。
それからホテルラスベガスはえっちゃんとむーちゃんの愛の城となったそうだ。
ちなみに付き合って半年でえっちゃんとむーちゃんはデキちゃった結婚をしている。


そう、その時身篭ったのがゴリラーマンだ。


「トオルはラスベガス産だ」と二人がウフウフ教えてくれた時俺は本気で困ったが、このバカップルのこの手の話に余りエロい意味合いはないようだ。






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