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short story
第9章 天の川 /yuriko
「やました・・・やすひとさん・・・」
その日部屋に帰った私は山下さんにいただいた名刺を飽きもせずに眺めていた。
正直、素敵な人だと思った。
背が高くてスーツが良く似合っていて・・・
そんな事をしばらく考えてハッとする。
やだ私・・・仮にも山下さんは克己くんのおじさんさんなだけで・・・
慌てて名刺を引き出しにしまった。
子どもの保護者同様な人にドキドキするなんて・・・
気を紛らわすように持ち帰った仕事に取り掛かったり他の色んな事で頭を埋めた。
それなのに気が付けば山下さんの事ばかり考えていて・・・そんな自分に戸惑ってしまう。
翌日、なかよし組が終わっても克己くんのお迎えは来なかったから約束通り克己くんをアパートに連れて帰った。
「どうぞ克己くん」
克己くんは少し恥ずかしそうに上がった。
手を洗わせてジュースを出して、二人で折り紙をしたり教材準備を手伝ってもらったりしていると電話が鳴った。
「はい、佐々木です」
「もしもし・・・山下です」
やっぱりドキドキしてしまう。
「今、仕事が終わったのでそちらに向かいます」
「はい、私の部屋は二階の一番奥です・・・表札がでてますから」
「分かりました」
柔らかくて低い声・・・
初めてなのに初めてじゃないような心地良さ・・・
電話はそれだけで切れた。
「克己くん良かったわね、おじさんこれからお迎えに・・・」
電話はほんの少しの時間だったけど、振り向くと克己くんはテーブルに伏せて寝ていた。
「克己くん?」
規則正しい健やかな寝息が小さな背中を揺らしてる。
「ふふっ」
思わず笑が溢れるくらい可愛らしい克己くんを抱いて私のベッドに運んだ。
それから仕事の続きをしているとピンホーンとドアが鳴る。
「はーい」
「山下です」
慌てて手櫛で髪を整えて鍵を外した。
「すみません、お言葉に甘えてしまって」
「いえ・・・あの、入ってください」
ドアを全開にして山下さんを招き入れようとするも、山下さんは入ろうとしない。
「一人暮らしの女性の家に上がり込むなんてこと出来ませんから」
頑なな山下さんに、なんて真面目な人なんだろうと更に好感を抱いた。
その日部屋に帰った私は山下さんにいただいた名刺を飽きもせずに眺めていた。
正直、素敵な人だと思った。
背が高くてスーツが良く似合っていて・・・
そんな事をしばらく考えてハッとする。
やだ私・・・仮にも山下さんは克己くんのおじさんさんなだけで・・・
慌てて名刺を引き出しにしまった。
子どもの保護者同様な人にドキドキするなんて・・・
気を紛らわすように持ち帰った仕事に取り掛かったり他の色んな事で頭を埋めた。
それなのに気が付けば山下さんの事ばかり考えていて・・・そんな自分に戸惑ってしまう。
翌日、なかよし組が終わっても克己くんのお迎えは来なかったから約束通り克己くんをアパートに連れて帰った。
「どうぞ克己くん」
克己くんは少し恥ずかしそうに上がった。
手を洗わせてジュースを出して、二人で折り紙をしたり教材準備を手伝ってもらったりしていると電話が鳴った。
「はい、佐々木です」
「もしもし・・・山下です」
やっぱりドキドキしてしまう。
「今、仕事が終わったのでそちらに向かいます」
「はい、私の部屋は二階の一番奥です・・・表札がでてますから」
「分かりました」
柔らかくて低い声・・・
初めてなのに初めてじゃないような心地良さ・・・
電話はそれだけで切れた。
「克己くん良かったわね、おじさんこれからお迎えに・・・」
電話はほんの少しの時間だったけど、振り向くと克己くんはテーブルに伏せて寝ていた。
「克己くん?」
規則正しい健やかな寝息が小さな背中を揺らしてる。
「ふふっ」
思わず笑が溢れるくらい可愛らしい克己くんを抱いて私のベッドに運んだ。
それから仕事の続きをしているとピンホーンとドアが鳴る。
「はーい」
「山下です」
慌てて手櫛で髪を整えて鍵を外した。
「すみません、お言葉に甘えてしまって」
「いえ・・・あの、入ってください」
ドアを全開にして山下さんを招き入れようとするも、山下さんは入ろうとしない。
「一人暮らしの女性の家に上がり込むなんてこと出来ませんから」
頑なな山下さんに、なんて真面目な人なんだろうと更に好感を抱いた。