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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第19章 王宮という名の伏魔殿
「さあ、お行きなされませ」
 尚宮が威圧的に言い、キョンシルはそれに気圧されたように室に脚を踏み入れた。同時にまた扉が音もなく背後で閉まり、キョンシルは狼狽えた。
「あの―」
 まだ外にいるはずの尚宮に呼びかけてみたけれど、しんと静まり返った向こうからは何の反応はない。
 ここは国王の居室なのだろうか。先刻、色の白い男が確か〝国王殿下〟と呼びかけていたような気がする。
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