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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第19章 王宮という名の伏魔殿
「殿下は実に得難いお方をお妃として迎えられました。淑媛さまが主上(サンガン)さま(マーマ)のお側におられる限り、この国の王室は安泰ですわ」
と、何ともまあ、身贔屓すぎるというか、大仰な発言である。だが、そっと窺ってみても、臨尚宮は冗談を言ったつもりはないようだ。大真面目な顔をしている。もっとも、謹厳なこの人の第一印象は間違いはなく、臨尚宮は生真面目すぎるほど真面目だ。
と、扉の外から遠慮がちな声がかかった。
「臨尚宮さま、淑媛さまに主上さまよりの賜り物が届いております」
と、何ともまあ、身贔屓すぎるというか、大仰な発言である。だが、そっと窺ってみても、臨尚宮は冗談を言ったつもりはないようだ。大真面目な顔をしている。もっとも、謹厳なこの人の第一印象は間違いはなく、臨尚宮は生真面目すぎるほど真面目だ。
と、扉の外から遠慮がちな声がかかった。
「臨尚宮さま、淑媛さまに主上さまよりの賜り物が届いております」