この作品は18歳未満閲覧禁止です
蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第19章 王宮という名の伏魔殿
温嬪の細い眼はつり上がり、それこそ狐憑きのように空恐ろしい形相と化している。
「主が主なら、尚宮も尚宮ですこと。いきなの暴力をふるうだなどと、なんて野蛮な。ああ、怖ろしい。私には到底、考えられませんわ」
恭嬪がわざとらしく怖がっている風に身を竦めて見せた。
「行くぞ」
温嬪のひと声に、行列は再び動き出す。一行が完全に視界から消えるのを待って、キョンシルは緩慢な動作で身を起こした。