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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第20章 飛翔する鳥
鳥がしきりに囀っている。キョンシルの翳を落とす長い睫が細かく震え、ゆっくりと瞼が開いた。
「―!」
キョンシルは褥の上に起き上がり、隣を見た。ソンはまだ深い眠りの中にいるようだ。
当然ながら、夕べも何も起こらなかった。
あれ以降、ソンはキョンシルの処遇について、ひと言も触れない。しかし、キョンシルには既にソンの気持ちは伝わっていた。だからこそ、最後に一夜を共にしたいという彼の望みを受け容れたのだ。