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第20章 飛翔する鳥

　ソンは鳥籠の蓋を無造作に開け、更に女官に命じて窓を開けさせた。
「さあ、帰るんだ。お前の元いた場所に。海を渡り、生まれ故郷の清国に戻るもよし、この新たな国で次の伴侶を見つけるもよし。お前はお前の居るべき場所で生きてゆくが良い」
　声とともに、鳥籠から鳥が放たれた。神の御遣いを思わせる白き鳥は籠から飛び出ると、迷うことなく翼をひろげ、蒼穹へと舞い上がってゆく。