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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第24章 祖父の願い
馬執事の間延びした顔には懇願の色が浮かんでいる。忠実無比な執事の表情はこれまで見たことがないくらい冴えなかった。祖父の病状が言葉どおり、けして思わしくないことを何より物語っている。
「それは」
キョンシルは口を開きかけ、言葉を途切れさせた。馬執事の憂慮の表情はいっそう切迫したものになる。
「―ごめんなさい。今すぐにお返事を差し上げることはできません。ほんの少しで良いから、考えさせて貰えませんか?」