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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第26章 花びら占い
だが、敵もなかなかだった。キョンシルが扉を開けた途端、例の男―馬執事の弟だと名乗る男が合図して輿を止めた。その隙をついて飛び出ようとしたキョンシルを素早く羽交い締めにしたのである。
「なっ、何をするの。止めなさい」
渾身の力で暴れたが、逞しい男と少女では所詮、比べものにならない。抵抗はあっさりと力でねじ伏せられ、キョンシルは背後から抱きすくめられたまま、顔に湿った布きれを押し当てられた。