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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第26章 花びら占い
キョンシルが纏うのは、虹色の絹で仕立てたチマチョゴリだ。衣装の裾や至るところに真珠が縫い付けてあるので、キョンシルが動く度に虹が煌めいているようでもあり、さながらキョンシル自身が虹を纏っているようにも見える。
既に人妻となり、長い黒髪も後頭部で束ねていたが、髷に挿しているのは崔氏本家の若夫人にとしては地味な簪だ。銀の透かし彫りで桜を象ったそれは、一年前、トスがミヨンに贈るはずであった簪である。