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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第4章 旅立ち
トスは確かに腕の立つ武芸者であるが、どこか得体の知れない胡散臭さが漂っていた。間違っても、両班の中でも特に家門の高いといわれる崔氏やこの国を統べる王さまのいる宮殿とは縁がなさそうなのに。
しかし、人間とは判らないものだ。キョンシルだって、下町生まれの下町育ちで、絹の服など袖を通したこともない。そんな自分が上流両班の娘だというのだ! トスがどこかの両班の子息だとしてもおかしくはない―、いや、そんなこと、あり得ない。
しかし、人間とは判らないものだ。キョンシルだって、下町生まれの下町育ちで、絹の服など袖を通したこともない。そんな自分が上流両班の娘だというのだ! トスがどこかの両班の子息だとしてもおかしくはない―、いや、そんなこと、あり得ない。