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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
「天地神明(チヨンチシンミヨン)に誓っても良い。二度と、あんな愚かな真似はしない。だから、もう一度だけ、俺を信じてくれないか」
キョンシルはトスの眼を見た。静かな、凪いだ湖のような瞳。もう、いつものトスに戻っている。その底で燠火のように暗く燃え盛っていた焔はいつしか消えていた。
「先刻も言ったように、外は危険だ。俺と一緒にいるのがいやなら、今は俺が出ていく。頼むから、一人で行くなどとは言うな」