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蜜恋~お義父さんとは呼べなくて~④牡丹の花の咲く頃には
第5章 偽りの別れ
パチパチと薪が音を立てて燃えている。時折、風が吹く度に、焔がすかに揺れる。粗末な小屋は隙間だらけで、風はそこから入ってくるのだ。
トスはじいっと揺れる焔に視線を注ぎ、ひと言も喋らない。彼が背負ってきた大きな袋の中には、様々な物が入っている。何しろ、ゆく当てのない旅である。いつまで続くのやら知れず、携帯食や常備薬の類は揃えられるだけ揃えて、着替えなどはその気になれば、いつでもどこでも調達できるのだとトスは予め教えてくれた。
トスはじいっと揺れる焔に視線を注ぎ、ひと言も喋らない。彼が背負ってきた大きな袋の中には、様々な物が入っている。何しろ、ゆく当てのない旅である。いつまで続くのやら知れず、携帯食や常備薬の類は揃えられるだけ揃えて、着替えなどはその気になれば、いつでもどこでも調達できるのだとトスは予め教えてくれた。